草津温泉で養蚕をやってみた。No1(シルクパウダー石鹸ができるまで)

本日から、弊社で新しいプロジェクトが始まりました。なので、久しぶりにブログを書いていこうと思います。

きっかけは3月。草津温泉はまだ雪が積もっていました。
午前中に社員総出で雪かきをしていると、一台の車が弊社の駐車場に入ってきました。
絹工房』さんでした。世界遺産のある富岡製糸所の近くで、国産シルクを使ったセッケンを製造、販売している会社です。
弊社とは十年以上のお付き合いがあり、『富岡シルク石鹸』シリーズは、その品質の良さから草津温泉でも大変よく売れている人気商品となっています。

一体何用だろうと思いながら応接室にお通しすると、一つの提案をしていただきました。

「草津温泉で、お蚕さまを育てて新しい商品を作りませんか?」

詳しくお聞きすると、絹工房さんは最近、新しい石鹸を開発したそうです。
パウダー状にした石鹸で、固形の石鹸よりも泡立ちが格段に良く、10cm程度のボトルで90回ほど使えるという画期的な商品でした。
主に旅行目的で利用するには抜群に便利で、シルクが配合されているので普段使いでも肌にやさしい石鹸として使えます。

商品サンプルです。

このパウダー石鹸に使われているシルク、つまり蚕の繭なんですが、それを弊社で作って特産として売り出さないか提案して下さったのです。
ようするに、養蚕をして、蚕を繭にし、繭をパウダー状にして、それから草津産の繭で作った石鹸として売り出す、ということです。
弊社が行うのは、蚕を飼って繭にし、それを絹工房さんに送るだけ。石鹸にするのはすべて絹工房さんが行ってくれる。

絹工房さんがお持ちになった提案は、このような内容でした。

養蚕をやって、できた繭を絹工房さんに送るだけ。
簡単に言ってくれますが、蚕を育てたことのない人にとってみればハードルが高いです。
ましてや生き物ですから、死なせないようにする責任が伴います。
絹工房さんが全面的にバックアップして下さるとおっしゃってはいますが、やはり大変だと思いました。

面白そうだったので、私はやりたいと思いました。

実は、私はお蚕様を飼ったことがあるのです。
小学4年生のころ、母親が持ってきてくれた蚕蛾の幼虫を自由研究として飼育した経験があります。
蚕蛾の幼虫は、行ってしまえば芋虫なので、抵抗ある方が多いと思います。
しかし、ゆっくりと動いて、私がやった桑の葉をもりもりと一生懸命食べていく様子を見ているうちに、だんだん愛らしいと思えてきました。

その時の思い出が一気によみがえってきました。
それに群馬県で生まれましたから、絹がいかに群馬の発展に貢献し、お金を作っていったかは学校でたくさん叩き込まれています。
また、草津町には温泉と、それに付随する名物はありますが、農産物で特産品と言えるものがこれといってありません。その意味でも作ってみたいと思いました。

そんなわけで、お話をいただいてから3ヶ月の6月12日。いよいよお蚕様が弊社にやってきました。

(以下、蚕蛾の幼虫の画像がありますので、閲覧にお気を付け下さい)

 

 

 

 

 

 

 

 

弊社にやってきたのは、約3,000頭弱の幼虫です。
まだ1cmくらいの大きさですが、これから1ヶ月くらいかけて10cm程度の大きさになります。
いまはやったばかりの桑を練りこんだ餌に群がってます。

これがお蚕様にやる餌です。簡単に言うと、桑を練りこんだ、ようかんです。
いまは山の方から桑を刈ってくる必要はなく、こういった人工飼料で飼育できるそうです。

ようかんをカットする道具です。20kgくらいある桑ようかんの塊を包丁で適度に切り、この道具に入れて切ると、上の画像のように棒状のようかんがいっぱい出来上がります。
一日にこのタッパー一つがなくなるそうです。もりもり餌を食べているお蚕様を見ているのは楽しいです(個人的に)。

引き続きお蚕様の飼育の様子をお届けできればと思います。
大変勉強になるのと同時に、弊社は中間業者で製造のかかわることがほぼ無いため、非常に貴重な経験をさせて頂いています。

あとは、たくさん商品が売れれば、言うことなしですね。
出来上がった暁には、ぜひ草津産シルクパウダー石鹸をお求めくださると幸いです。

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